詰め込みすぎ旅行記録

マニアックな旅行好きの、ハードめな旅程記録ブログです。

中央アジアざっくり周遊2週間 ⑦サマルカンド二日目とタシケントへの移動

シャフリサブスからサマルカンドに戻ってきたのは16時前

10時前に出て16時前に到着したので、シャフリサブス観光は6時間の日帰り遠出となりました。

 

 

サマルカンド市内観光



タシケントに向かう列車は18:05発。

街中から駅まではタクシーで30分なので、余裕をみて17時頃にはタクシーに乗りたいと思いました。

 

ここで私が行き残しているのは、

グーリ・アミール廟サマルカンドペーパー工場

確実に行きたいのはグーリ・アミール廟だったので、先にそちらに向かうことにしました。

 

シャフリサブスの観光地価格でドン引きしたコーラ(10,000スム)と、

さっきそこで買った水(5,000スム)をがぶ飲みしつつ歩きます。

 

 

グーリ・アミール廟

タクシーの降り場(レギスタン広場東端の道路を挟んで南側)から徒歩で向かいます。

あっつい、とつぶやきながら通りを歩くこと10分強。

整備された公園に辿り着きました。

そして観光客の流れるままに公園内へ左折、どうやらこの公園の突き当りが目的地のようです。

 

チケット売り場で42,850スムVISAカード払いしたら手数料に2,850スム取られたっぽいです)を支払い、

敷地内に入ろうとしたら警備員に引っ張られました

「おい、そこの、、コリアン?キタイ?」

と引っ張られつつ声をかけられます。

 

『うお、なんだ!スカーフか?ここは帽子ではダメなのか?!』

と思っていると、「ビリエット!」と。

焦りましたが、チケット見せろ、というだけでした。

「ヤパーニャ」と日本人アピールしつつお別れすると「コンニチワー!」と送り出されました。

どっちかというと「ニホンジン」や「アリガトー」を覚えてほしいものだなと思います。

 

門をくぐると霊廟が登場します。

この日は土曜日だったからか観光客が昨日より増えている気がしました。

 

ど真ん中の入口は封鎖されていたので、右の入口から入ると小部屋のみ。間違えたようです。

ティムールではない人が埋葬されている小部屋のようでした。

 

観光地って大体が見学ルート看板やら「順序→」みたいな矢印看板があるのに、

ウズベキスタンはどんなメジャー観光地でも説明がほぼありません

ドラクエでダンジョン探索をやっているような気分になり、総当たりしたくなるというゲーマー心が湧きあがります。

 

ということで左から入りなおしました。

 

この真ん中がティムールの墓のようです。

観光客が多すぎてにぎやか。

しかも何人も同じ部屋に並んでいるのが日本の横穴式石室みたいです。これは追葬なのか、ほぼ同時期なのか。。

 

墓系を見学しているといつも思うのですが、

例えば霊がいたとして、埋葬された本人はこのお祭り騒ぎを楽しめているのでしょうか。

自分(とせめて親族)の時間をひっそり過ごしたいのか、それとも「崇めろー」と喜んでいるのか。

考えても仕方ないことですが、つい想像してしまいます。

 

 

霊廟裏手の地下(土産物店)

内部も見終えたので、霊廟周りをぐるっと一周しようとしていたら、

裏手に地下への入口が。

これは、ダンジョンの香りがします。入らなければ。。

 

 

入った先は、まさかの、しかしウズベキスタンではあるあると化した土産物店でした。

『いや、ここ、絶対にすごいレベル高めな遺構でしょ。この使い方はちょっと。』、と思いますが・・・、

まぁ国民が許容しているのならいいか。

 

しかも売っているお土産がヴィンテージです。ソ連時代のコイン、マトリョーシカ、中国の象牙像、、。

「ティムール関係なさすぎ」と日本語で呟いてしまいます。

 

ほぼヴィンテージだと思いますが、店主はマトリョーシカを見せつけながら

「アンティーク!リアルアンティーク!グッド!!」

とぐいぐい来ます。さすがに100年は経っていないのでは。

 

気になった指サック(小人意匠)の値段を聞くと「1,500,000スム」と堂々たる返事が返ってきました。

私の横で眺めていたウズベク民の女性が店主の顔を見ながら目を見開き「値段、高っ!」という顔をしています。

私も彼女の加勢(顔)を得て、「トゥーエクスペンシブですね」とジャパングリッシュでお断りしました。

 

店の奥も洞窟感ある仕上がりで、私的には超好きな店です。

しかし置いてある品物が。

 

正直なところ面白過ぎたので、お礼に何か買って帰ろうかなと思いました。

しかし、ここでふと思い出します。

ウズベキスタンは、50年以上前の品物は持ち出し禁止(許可を取れれば可)だったはず!!

出国時に回収されるのが怖くて買えない・・・。

 

色々説明してくれた店主に、

「私はヤポーニャだから、ウズベキスタンの古い品物は買えないよ。私の国に持って帰っちゃダメでしょ。これらはウズベキスタンの中にあるべきものだよ。」

とお断りしました。

「うーん、いや、持って帰れるものもあるよ、大丈夫。でもそういうことを気にしてくれるのはうれしい。」

と店主は少ししんみりしていました。

ウズベキスタンにはアフリカ諸国のように欧米人に色々持って行かれた過去などがあったのかな?よくわかりませんが。

 

 

ちょうど店を閉める時間(16時半)になっていたらしく、気付けば私がラスト客に。

店じまいし始めた店主に「プレゼントだ!」とティムールが描かれた厚紙をもらいました。

ティムール!嬉しい。。ティムール廟でもらったティムール。ものすごく想い出になりますね。

「ありがとう!日本に持って帰ります!とてもうれしい!」とペコペコして笑顔で別れました。

 

 

そういえば、中央アジアの旅のどこかで現地の誰かに、

「日本人ってペコペコするよね。ペコってしたら「日本人だ!」と思うよ」

と言われました。そうなのか。。

 

それは置いておいて、日本の小銭でも持ってきていればよかったなぁと後悔しました。

シャフリサブスの少女の時もですが、こういう時、もらったらお返ししたいじゃないですか・・・。

5円とか、穴が開いてるし黄色いしで面白がられそうですよね。10円も柄が秀逸なので捨てがたい。。

 

 

 

ルホボド霊廟

グーリ・アミール廟のすぐ近くにあったので寄ってみました。

 

情報がなさすぎてほぼGoogleの口コミ情報からの類推になりますが、

14世紀後半に有名だったイスラム教の伝播者の霊廟で、タメルランによって14世紀後半に建てられたのだそう。

葬られているのはティムールが尊敬していた宗教家なんだそうです。

サマルカンド旧市街の中でも古い建物のようです。(全体的にあいまい・・・笑)

 

無料で入れますが、

入口にお土産店の人々が休憩していて、観光客が入口まで来ると始動します。

ここも回廊はほぼ全てお土産物店です。

 

霊廟の中は誰もおらず、先ほどのティムールの霊廟とは打って変わってひっそりとした静寂に満ちています。

結局のところ、私はこういう喧騒から離れた場所が好きで、これに癒されるんだなと理解しました。

 

 

ここで時間は17時前。

サマルカンドペーパー工場には行けそうもありません。残念!

 

タラス河畔の戦いののち(今ではもっと前に伝わってた説もあるらしいですが)に伝わりこの地で主力産業となったサマルカンドペーパーは世界の各地で利用されていましたが、

次第に衰退して製法は失われ、また最近復興したのだとか。

一度失われているのが残念ですが、どのような紙なのか現地で見てみたかったです。

 

 

サマルカンド駅へ移動(タクシー)

荷物を取りにホテルまで徒歩で戻り、

ホテル横の出店でざくろジュースを買ったら20,000スムもしました。観光客価格か?!

ホテルからサマルカンド駅までタクシーを利用して、料金は15,000スムくらい。

 

駅に近づいてきたあたりで、路上の↑歯のオブジェにくぎ付けになりました。
シュールすぎる。。

 

 

サマルカンド駅からタシケント

サマルカンド駅 18:05 → タシケント北駅 20:22

料金245,000スム(約2940円)の列車に乗ります。

 

サマルカンド

20分ほどで駅に到着。

列車の乗車時刻までは40分くらいあります。

 

駅構内にはカフェや土産物店があり賑やかです。

この「アメリカーノ」はコーラとかコーヒーとか、アメリカっぽいと思われている(と思われる)飲食物を売っている店で、

店員もアメリカーノな感じでした。

 

ちなみに、トイレは地下にあります。

駅の真ん中にある階段を下って、右手です。

 

トイレ手前に「20スム」という表示とともにトイレットペーパーが置いてある窓口があったので、

『駅内なのに有料なのか』と思いつつ支払い、トイレットペーパーを受け取りましたが、

今思えばトイレットペーパーが20スムだったのだろうか。

 

待合の椅子から天井を見ると、どでかいシャンデリアがかかっていました。

こういうシャンデリアを見るとつい「オペラ座の怪人」のシャンデリアが落ちてくるシーンを思い出します。そして真下にいるとソワソワします。

 

柱から天井にかけてのアーチも美しいですし、サマルカンド駅の意外な見どころです。

 

 

発車時刻が迫ってきたのでホームへ移動。

 

 

アフラシャブ乗車(Afrosiyob/アフラシアブ号)

今回は奮発して、というか時間的にそれしかなかったので、普通列車よりお高めな

高速列車「アフラシャブ号」です。

昨日は5時間かけて寝台列車でやってきたタシケントサマルカンド間を、2時間17分で走り抜けます。

しかも到着は便利なタシケント北駅

 

列車好きとしては様々な種類の車両に乗りたいので、

豪華寝台(カザフ鉄道)、普通寝台(ウズベク鉄道)と乗ってきた今、豪華高速鉄道にも乗れるのは楽しみです。

 

乗車した座席は東海道新幹線とかと同じ雰囲気。

乗り込んでしばらくすると、乗務員2人組が通路をカートを押しながら何かを配っていました。

チャイ(ティー)かコーヒーかを尋ねられたので「チャイ」にしました。

 

配られたのは紙袋とお茶。コーヒーの人はお湯(?!)をもらっていました。

袋を開けると納得。

 

コーヒーの粉が入っています。

コーヒー派の人は、配ったお湯にこれを入れて混ぜろってことね。

 

しかし、3,000円弱しか払っていないのにこのセットが無料でもらえるのは最高ではないですか。

伊丹空港の朝のカードラウンジ(パン付き)やFDAの朝便のクロワッサンを思い出します。

これは私の夕飯に確定しました。

 

そのあとも何度か乗務員がカートを押してやってきますが、

この配布以降は全て有料のお菓子やら飲み物やらのようでした。

 

 

タシケント北駅からホテルへ移動(タクシー)

流石のウズベキスタン鉄道(昨日朝の遅延は何だったのかと思いますが)、

予定通りにタシケント北駅に到着しました。

 

ウズベキスタン初日(昨日)の思い出の、タクシーにぼったくられたタシケント北駅です。

昨日の話だとは思えない・・・。充実しすぎてもう3日くらい前の気分です。

 

ここからは安心のYandexGoでタクシーを依頼しました。

駅からインターコンチネンタルタシケントまで、料金は19,500スム

 

駅前で待っているのに、駅の陸橋を隔てた向こうにタクシーが停車し、

「タクシーは到着しました。早く乗ってください」という画面が!!!

 

『運転手!もっと地図を拡大してちゃんと待ち合わせ場所を見ろ!

流石にこの荷物でそんな場所まで移動しないぞ!』

とちょっと疲れていたので腹が立ちました。

英語で「There is not my waiting point. Please check the poit!!」と怒ってるアピール(ささやか)で「!」を最後に付けてコメントしました。

するとゆっくり動き出すタクシー。こっちへ向かってきている様子に安心していると、50mくらい向こうでまた停車。。

 

「早く乗ってください。追徴料金まで1分、59秒、、」とかYandexGoがカウントダウンし始めたので、私も焦って移動します。

それっぽいタクシーを見つけたので画面を見せて運転手に確認し、ちょっと怒った感じで乗車しました。

 

そして無言で進むタクシー。

10分ほど乗っていたでしょうか。

 

高級ホテル感漂う「IHG」の看板の前、門番にゲートまである入口横で停車し、

すごくいぶかし気な顔で運転手は後部座席の私を振り返りました。

「ここ?合ってる?」(運転手)

(君みたいな明らかにバックパッカーな人が泊まるホテルじゃないよ・・・)の心の声がだだもれな顔です。

 

「合ってる、大丈夫。ありがとう。おつりはとっといて。」

たった500スムをチップにしたアジア人(私)はセリフだけお金持ち感を出してみて、タクシーを降りました。

 

 

インターコンチネンタル タシケント

詳しくは別立ての宿泊記に書きますが、上のタクシーネタからの続きでもあるので入口のところだけ。

 

IHG系列ホテルにはお世話になっていますが、よく考えるとIHGブランドのホテルに泊まるのは初めてです。

高級ホテルラインなので対応が怖いですが、そこはプラチナエリート顔で押し切ろうと思いつつ、

徒歩にてタクシーを降りた路上からエントランスへ。

玄関の警備員が「ん?」な顔をしていましたがスルーして入場しました。

 

背中に36Lのバックパック(CabinZERO Military)を背負い、パンパンに詰まった斜め掛けバッグ(パタゴニア)をかけ、登山ズボン(モンベル)をはき、パーカー(ユニクロ)を着た髪型が乱れた女

が受付に辿り着きました。

 

受付ではカウンターには案内されず、サイドにいたポーターの男性(イケメン)に

「何か御用ですか?」

と尋ねられます(笑)

そりゃそうか。

 

「ええと。宿泊の予約をしているものですが・・・」

と答えると、「OH!」と言いながらあわててポーターは奥の部屋に向かい、受付スタッフを呼んできました。

 

パスポートを見せ、予約を確認され、

すっごい勢いの英語で予約内容やらホテルの各ショップの営業時間やらをずらずら述べられ、

シャフリサブス帰りからシャットダウン気味の脳は追いつけません

受付嬢は一人で数分間は話し続けています。

 

「オーケー」「アイシー」「アイアンダーストゥッド」「イヤ―」を合間に連呼し、英語の波が終わるのを待ちました。

『確認事項は紙で・・・紙で出してくれたらゆっくり部屋で確認するから』と思いつつも、その英語が出てこない。

受付嬢のとどまる事のない勢いにスマホで翻訳する暇もなく、ただ頷きながら立っているだけの状態です。

正直早く荷物を降ろしたいし、部屋に置いてゆっくりしたい。疲弊した私を開放してくれ、と我がままにも受付でぼーっとしてしまいました。

 

『一応聞いたし8割がたは理解したけど、でも多分勘違いしているとこもあるよ』のアピールとして、

「I can not speak English fluently, you know. OK?」

と述べて終わろうとすると、鼻でフッと笑った受付嬢は、もう一度怒涛の英語を並べ始めました。内容はさっきの話とかぶっています。

「More slowly, please!」も言ってみましたが無視。もう、英語が拙いバックパッカー女へのいやがらせの域です。

『2度同じスピードで話する?!この速さで止まることなく言われたら無理。いや、もういい!もう部屋に行かせて!荷物が重いんだよ!』と思ったので、

「OK! I undestood. Alright!」と適当なことを言い、部屋の鍵を受け取りました。

 

私は思いました。

タシケント随一の高級ホテルの一員であろうこのIHGホテルに、

私のような英語中の下レベルで、アジア人で、1万円以下の服装のやつが来てはいけないのだ』と。

これは南アフリカヒルトン(ツアー利用)でやられたやつだ、と。

※↑南アフリカヒルトンではホテルに入ってもスタッフの無視(スタッフが怠惰なだけ可能性もあります)から始まり、夕食や朝食会場は空いているのに部屋の端っこの変な場所に案内される(白人・黒人は便利が良く明るい真ん中席)等の処遇にあいました。

 

シャフリサブスの帰路を越えるレベルで疲弊しました。

 

しかし、

ここから部屋まで案内してくれたポーターの男性、

朝食会場で出会ったスタッフや翌日~2日後の受付で出会ったスタッフは、

みんないい人でした。優しいし英語も穏やかでした。

なので安心して宿泊してください。

 

ここまで話しておいてなんですが、ただの、バックパッカー風味が徒歩で高級ホテルに来たらこんな感じ、という面白かったエピソードの一つとして語ってみただけです。

設備も最高ですし、立地も最高です。朝食も美味しかったし。。

ものすごくいいホテルだと思います。