30代女子の詰め込みすぎ旅行記録

マニアックな旅行好きの、ハードめな旅程記録ブログです。

中央アジアざっくり周遊2週間 ⑩オシュ世界遺産見学とアルスランバブ(アスランボブ)での民泊体験

 

 

オシュの夜

ホステルで犬と戯れた私は、アルスランバブ(アルスランボブとかアルスタンパブとかアスランボブとか、色々呼び方があります)とその先のビシュケクまでの情報を探しに、

キルギスの観光会社と案内所を兼ねているCBTを訪れることにしました。

 

オシュのCBT(観光案内所)訪問 ルート確認

レイマン=トー付近のオシュの郊外の道はこんな感じ。

舗装はなく、砂が舞い上がる、けれどごみ一つない道です。

 

ホステルの管理人の女性に

「暗くなってからこの周りを女性が一人で歩いても大丈夫?」と尋ねると、

何の問題もないわよ!でも道がデコボコで暗いとつまずいちゃうかもだから、明るいうちに帰ってきた方がいいと思う。」

と返事をもらいました。

 

オシュも相変わらず安全な街のようです。

晩御飯をさがしつつ、スレイマン=トー沿いのでこぼこ道をCBTまで徒歩10分程度歩きました。

 

GISでCBTの位置にチェックを入れてそれを頼りに進みましたが、

なにやらただの民家の区画に入ってきました。

ここに本当にあるのか?と不安になる場所です。

 

CBToffice infomation

の看板を見つけ、その塀の門を開けて、民家感がすごい家に突撃します。

(不安すぎて写真を撮り忘れましたが、ぱっと見民家です。)

 

すると、中には観光案内所っぽいパンフレットや地図が並び、

ヨーロッパ系の旅行者っぽいおじさまがCBTのスタッフにまくしたてるように話をしていました。

「いや、このルートでシェアタクシーで$80って高すぎだろ!ほかの所に聞いたらもっと安かったよ。高すぎるよ、信じられない」

みたいな話をすごい勢いと圧で話しています。

 

おじさんとの会話が終わるまで、私はパンフレットコーナーや地図を見ながら待ちました。

CBTで手配すると、英語が話せる運転手にしてくれたり仲介手数料が乗っかるのでそこそこ高い、という話は聞いていましたが、

おじさんの勢いを見るにやはり高い様子。

 

しかし、まぁ、旅行会社なのでボランティアではないですし、仲介手数料を取る代わりに安全を担保するわけですから、割高なのは仕方ないと思います。

 

 

おじさんとの会話が終わり、おじさんはタクシー仲介をあきらめて帰っていきました。

 

私はCBTの人からルート情報を得たかっただけなので、仲介依頼はなく質問のみです。お金にならない客なので対応が淡白になるかなーと少し不安。

ちなみにやりとりは英語です。結果は以下の通り。

 

 ◆オシュからアルスランバブの行き方は3つ

  ①シェアタクシー(シェア客が居なければ単独):高い(1タクシー5,000ソムくらい?)

  ②13:30発のマルシュートカ:直通で楽で安いけど夜に着く。

   当日の12時半までにバスターミナルにいけばほぼ間違いなく買える。直前だと売り切れているかも。

  ③2回乗り換えるマルシュートカ:混むし時間がかかるけど安いし早く着く

   → オシュからジャララバード行きマルシュートカ(朝9時頃から30分おき)

   → ジャララバードからバザール=コルゴン行きマルシュートカ(30分おき)

   → バザール=コルゴンからアルスランバブ行きのマルシュートカ(夜まで何度かある)

 

 ◆↑のマルシュートカが出るバスターミナルについて

  ジャララバードやアルスランボブ方面であれば、北(国境近く)の新しいバスターミナルからマルシュートカがでている

  ※この後バスターミナルの場所やチケットの買い方について、ホステルの専属タクシー運転手さんがかなり詳しく教えてくれて、超助かりました。

 

 ◆アルスランバブでの民泊手配について

  事前予約していなくて夕方遅く(↑②のマルシュートカで辿り着いて)でも、アルスランバブのCBTを訪問して民泊をしたいといえばその場で手配してくれる

  民泊をしている家はたくさんあるので宿に困ることはない

 

  ※民泊に近い雰囲気のゲストハウスがBooking.comなどにもあり、そちらの方が民泊より少し安いです。

   民泊は正直に言うと相性があるので・・・。私はちょっと相性が悪かったなという家になりました。(このページの終わりの方で詳しく書いています)でもホストの家族はあたたかくて素敵でしたよ。

   相性が悪い家になるのが怖い方はBooking.com等でゲストハウスを予約したほうが無難かもです。

 

 ◆アルスランバブからビシュケクまでの移動方法

  ①シェアタクシー:アルスランバブは観光客も多いので現地CBTやバスターミナルで探せばタクシーはすぐに見つかるはず。

   ビシュケクまでとなるとシェア客は見つけにくいかも?

   単独タクシーになって高い可能性はある。

   一旦オシュまで戻ってきて、オシュからビシュケクのシェアタクシーならシェア客はそれなりに見つかるかも。

  ②マルシュートカ&シェアタクシー:アルスランバブ(早朝発)からバザール=コルゴンをマルシュートカ、そこからシェアタクシーでビシュケク、というルートで行ける。

   とても安いが少し大変。バザール=コルゴンに午前中の早い時間に行けば、タクシー運転手がたくさんいるのでビシュケク行きはすぐ見つかると思う。シェア客がいるかは不明。

 

 

あきらかに私が貧乏旅行者っぽかったからか、高めなシェアタクシーについての営業は全くありませんでした。

安い行き方をメインに、私が尋ねた質問に淡々と細かく親切に答えてくれる感じ。

安心感がありました。

 

オシュからさらに南部や南西部のトレッカーや緩衝地帯コースに向かわれる方は一度CBTに立ち寄って話を聞いてみるといいかもです。

 

待ち時間10分、質問回答は時間にして15分程度だったでしょうか。

まだ外も明るい18時頃、お礼を言ってCBTをあとにしました。

 

 

晩御飯

さて、この日の私は『美味しいごはんが食べたい』と思うくらいに元気でした。

しかし周辺にはそこまで評価のよいお店はありません。

 

「暗くなる前に帰ってきたほうがいいよ」とホステルの方に言われたので、少し遠い街なかまで出るのもためらわれました。

 

しかたない、ここら辺のそこそこの評価の店に行こう、

と決め、YandexMapで定食屋として出てきた店に向かいました。

 

≪Aby Dabi≫

GoogleMapだとなぜかモバイル店として表示されていますが・・・。ここのはず。

 

お店の人はかなり親切で、いい感じです。

メニューを見てもさっぱりなので、

チャイ(お茶)とラグマン(無難!)を頼みました。

 

ちなみに味は、普通でした。超おいしいわけでもなく。。

麺が固くてパスタっぽかったのが面白かったです。量的にはパスタ170g分くらいありました。

 

何よりも、出身は聞かれませんでしたが、

東アジア人だと見定められて、どこぞの中華料理店でもらってきたらしい箸をつけてくれたのが本当にうれしかった。

ラグマンをフォークで食べるのが下手なのでかなりありがたい。

 

あとチャイがかなり美味しかったです。

 

チャイ5杯分くらいとたっぷりのラグマンでたったの250ソム(約443円)でした。

 

 

夜のホステル

どうにか食事も終えて21時前の日暮れ時にホステルに帰宅。

洗濯機で洗濯させてもらい、洗濯終了までの待ち時間の2時間半をシャワーしたりごろごろしたりして過ごし、

お茶でも飲もうかなとキッチンに行った時でした。

 

キッチンにたまたまいたウズベキスタンから仕事に来ていた宿泊客のお兄さんが、

翻訳アプリで話しかけてきました。

 

「あなたはどこの人?」から始まり、謎の「そのお茶は日本のお茶ですか?」からの

私の出がらし(2番煎じ)を飲んでみたい」というお兄さん。

『これは漢方系の中国茶なんだがなぁ』と思いつつ、

若干引きつつどうぞどうぞ、とお茶パックを渡しましたが、

案の定色も味も薄いようでした。

 

「せっかくだしお茶を飲みながら話しましょう」とお兄さんが椅子に座ったので、

お互いの仕事やら私の旅のルートやらを話しました。

お兄さんがようやく(めっきり色がでない)お茶パックを捨てる動きをしたので、

「体にいいお茶なんですよ、そちらのはちょっと薄いみたいですけど・・・」

と私が伝えると、

「どういいのでしょうか?夜によいのでしょうか?」

という怖い翻訳が帰ってきました。

 

『どう意味を取ればいいのだろう。こ、これは雲行きが怪しいぞ。』

と思った私は、撤退を決意しました。そもそも椅子の距離が近かったのがちょっと怖かったわけです。(自意識過剰かもしれないが)

 

丁度そこに神でもいるのかと思うくらいの抜群のタイミングで、

お兄さんが使っていた翻訳アプリのネットワークが不安定に。

「どうやら、ネットワークがダメになったようですね。それでは。さようなら。」

ジェスチャーしつつ日本語で述べ、私はそそくさと撤退しました。

 

 

こういう都合のよい展開になったとき、

私はトゥルーマン・ショー」という映画を思い出して少し恐くなるのですが、わかってもらえるだろうか。。

 

 

 

レイマン=トー 【世界遺産

翌朝、ホステルのチェックアウトは午前中なら自由(前日に支払いは終わっているのでいつでも出て行っていい)だったので、

荷物をホステルにおいたまま、

ハードそうなスレイマン=トーに向かいました。

 

レイマン=トーはキルギス唯一の、キルギス単独の世界遺産です。

 

 

レイマン=トーの博物館へ(徒歩)

シルクロード系の番組でよく映される映像と同じ雰囲気の、涼しくてのんびりした朝の郊外の道を歩きます。

 

ホステルからスレイマン=トー(麓)までは徒歩10分程度ですが、

中腹にみえる博物館までは結構な上り坂です。

 

ちなみにスレイマン=トーはオシュの街中(山の東)方面や北側からも登山道がありますが、私はホテルから近い南方面の登山道を歩きました。

 

街中方面だと登り口に資料館があるみたいです。

しかし、私の事前情報だと、入館料がいるうえに、なぞの彫刻家の彫刻が大量にあるだけ、とのことだったので今回は行きませんでした。

 

 

南登山道入口にあるおおきなオブジェ

 

傾斜10~15度くらいの歩きやすい舗装道がつづら折りに続いています。

 

しかし、短気な私は、登り始めてすぐに右手に発見してしまった短縮ルートに突っ込みました。

火気厳禁看板もたっているくらいなので、きっとこちらも公的に認められた正式ルートのはず。はずです。

 

つつじ系にも見えるけど、大きなだけの草のような気もする。。

 

短縮ルートの道沿いは花も咲いており、ハイキングコース的な癒しもありました。

 

が、ごろごろした石の道で、ところどころ傾斜が急です。

 

↑来た道を振り返ったら思いのほか林でした。

 

短縮ルートは最終的に正規ルート(つづら折り)に合流します。

 

短縮ルートで10分程度、正規ルートだと15分程度かなと思いますが、

そんなに汗もかかないうちに博物館に到着しました。

 

と思ったらこれは博物館ではありませんでした。倉庫?かな。

どうやら正規ルートに合流してすぐの分かれ道(真っすぐか上か)で上に行ったのが間違いだったようです。

 

倉庫っぽい建物の奥に下る階段があったので、ここから博物館下の道に合流します。

 

急な階段を降りて振り返ると、こんな感じ。

救済ルート(倉庫?からの移動路)があって助かりました。

 

こちらが本当の博物館。

眼下にのびのびと広がるオシュの町並みと、遠くにアライ山脈(レーニン・ピークもあるかな?)が見えています。

 

この景色を見るためだけでもここに登ってくる価値はありそう。

 

 

レイマン=トー博物館

9時開館でした。

私は8時50分ごろについたので、受付の方が来るまでちょっと待ちました。

 

入場料は80ソム

 

博物館内には英語の解説はありませんが、

アプリをダウンロードすると英語の解説が見られる、的な張り紙がありました。(試していません…)

 

入ってすぐの階は洞窟のようになっており、

道順図がある・・・

と思ったけどどう見ても道順として成り立っておらず混乱(笑)

客は今のところ私一人だったので適当に回ることにしました。

 

のっけからぴかぴかの仏像が鎮座しています。

これは、面白そうな気配があふれています。

ワクワクしてきました。

 

独特な雰囲気の博物館で、大変私好みです。

「飛び出し坊や」風な「道ふさぎ坊や」の絵がなんだかグッときました。どこかの岩絵のものを引用しているのでしょうね。

 

一通り見終えて次の階に行く手前に入口が極端に狭い小部屋みたいなものがありました。

 

中に入ると奥はさらに区切られて、人一人が立てるくらいの小さなスペースに分かれています。

 

なんだこれ?と思って入口まで戻ると看板を見つけました。

これは英語も書かれています。

「【チルタン】は精神的な病気の人々を癒す場所。気分の落ち込み(うつ)を治すため、何も食べず水だけで40日間過ごす場所である。ペルシャ語で「40+人」を意味する「チル+タン」という言葉から名づけられた。」(意訳)

 

この洞穴で水だけで40日間過ごすと気分の落ち込みが治るようです。

へえ。極限状態になるので落ち込んでるどころではなくなるのでしょうか。

 

アスベスト吹き付け疑惑を感じる洞窟の壁にドキドキしながら、先(上の階)に進みます。

 

「触るのとフラッシュは禁止!」と書いてある動物のはく製や、反対側には土器などが立ち並んでいる階段を黙々と上ります。

 

・・・なんでフラッシュ禁止なんだろう、とふと疑問に思い調べてみましたが、

はく製に悪影響が出るとかではなく、単純に「他の鑑賞者の邪魔になるから」という理由で禁止している博物館が多いみたいですね。ここもそういう理由かな?

 

階段を抜けると明るい広間にでました。

こっちを真顔でガン見しているスタッフの方がいて怖かったのでここの写真は撮っていませんが、岩絵の柄の布とかがかかっているよくわからない空間でした。

 

そこから出ると外の、博物館の屋根の下につながっています。

ここからはかなりの階段なので足腰の弱い方にはおすすめできない感じ。

 

 

ハイキングコース

階段を下りて戻ると博物館の入口、さらに東に進むと展望の丘があるようです。

 

私は展望の丘方面のハイキングコースに向かいました。

 

右手にオシュ市街を眺めながら、そこそこ整えられている道を上ったり下ったりしながら進みます。

 

本来であればいくつか山の散策ルートがあるようですが、ほとんどの道が封鎖されており、

まともに歩けるのは博物館~展望の丘のルートだけになっている様子。

 

途中で水が噴き出している場所があって濡れたり(たまたまかも)、

謎の洞穴があったりします。

 

博物館から10分くらい歩くとかなり東側の高い所までやってきました。


途中で何組かの家族や、

ハイキング中なのか巡礼中なのかわかりませんが、高齢の老女たちの集団に出くわしたりしつつ、

徒歩15分ほどで、かなりの急こう配の階段を上って展望の丘までやってきました。

小さなモスクがあります。

 

バブールの祈祷所と展望の丘

 

丘に上がると10人近い人がワイワイと景色を眺めたりお祈りをしていました。

 

ここにも英語でも書かれた看板が。

「【バブールの家】頂上には小さなモスクがあり、経典を読む場所となっている。この山の石の上には預言者ソロモンの膝と指の痕が残されている。16世紀にたてられた記念碑は一度破壊された。バブールの著書にその記念碑のことが書かれている。彼はオシュの町とスレイマン=トーについて次のように書いている。「オシュ、澄んだ空気と豊かな水、春の美しい町。オシュには伝説がある。城の南東にはバラクフと呼ばれる美しい山があり、頂上にスルタン=マフメット・カンは小さな家を建てた。その下の山の端に、902年に私も小さな家を建てた。」」(意訳:まじめにほぼ全部訳してみましたが、キルギス語→英語の時点でなのか若干違和感がある仕上がりになっていますね)

・・・伝説が、私の想像していた伝説ではありませんでした。ドラクエ的な伝説かと思ったけど、ただの昔の話ですね。

 

この預言者ソロモンの話やバブールの著作に記載されている古い話などもあり、

イスラム教に深くかかわる場所として世界遺産に認定された模様です。

 

展望の丘の上にロッククライミングしている地元(多分)の若者がいました。

不敬ではないのか、大丈夫か。。

 

 

そういえば私はここでこの旅はじめての日本人旅行者に出逢いました。

キルギスって日本で外務省の情報とか読んでると不安になりますけど、断然安全ですよねー」とかいう話をしながら、

ムゼイ(博物館)を見ていないというその方と共に来た道を戻り、

途中で出くわした地元の人に「ヤポーニャ、写真撮らせて!」と写真を撮られつつ進み、

私は既にしっかり見終えていたムゼイ前でお別れしました。

 

私の10倍以上の経験を持っている感じバックパッカーな人で、

この短い間に「パミール高原、行きたいですよねぇ!」と盛り上がりました。

 

面白い方で『この人となら一週間くらい話していられそう』と思いましたが、

私はアルスランバブに行くので、ウズベキスタン方向に向かう予定のその方とは残念ながらここでお別れとなりました。

しかもタジギスタン経由のウズベキスタンみたいで

『そのルート行ってみたい!いいな!!』

とテンションが上がりまくりました。

内陸国であるタジギスタン自称の「タジギスタンの海」が見てみたいのです。

 

ルートを固定していない旅ならこの辺でルートをふらっと変えられてよさそうですよね。タジギスタンも入ってみたかったなー。

いつか1ヶ月くらいの漠然とした旅とかもしてみたいものです。

 

 

オシュ新バスターミナルへ(バス)

さて、そこからホステルに戻り、チェックアウト(というか荷物を持って鍵を返しただけ)をし、

11時すぎにホステルすぐ横のバス停で新バスターミナル行きのバスに乗りました。

 

バスを待っている間に隣にいた女性にバスの値段を聞いたところ、

15ソム(27円)とのこと。

30分以上の乗車時間のはずですが、これまた安い

 

 

バスは街中を抜け、郊外へ向かっていきます。

 

私はすっかりホステル周りの景色だけでオシュは素朴な街だと思っていました・・・

が、バスの車窓から見るオシュの中心部は結構な街でした(笑)

 

オシュはご飯がかなり美味しいとブログで見ていましたが、

この街っぷりだと確かに美味しいお店がたくさんありそう。。

あと一泊すべきでした。美味しいご飯が食べたい!!

 

そしてどんどん人が降りていき、最後はたった数人に。

 

GISで見ていたらバスターミナル近くに来ていたので降りようとすると、車掌さんに止められました

「バスターミナルでしょ?まだだよ。大丈夫、バスターミナルのすぐ横までつけるから、そこで降りなさい」

的なジェスチャー(すっごくわかりやすかった)をしてくれました。

 

「何人だ?」(車掌さん)からの「ヤポーニャ」(私)で、

すごい笑顔で「ヤポーニャか!おお!」(車掌さん)という盛り上がりのまま、

お互いにっこにこしながらお別れしました。

降りる時も「バスターミナルはあれだからな!」と運転手さんと車掌さんが手で示してくれました。

 

わざわざ旅行者なのを見越して「バスターミナルに行くんだろうなぁ」と降りるのを止めてくれるのが優しいですよね。

オシュはとにかくすごく印象がいい街です。

 

 

ちなみに、乗車時間は道が混んでいたのもあって50分でした。

GISが示した乗車時間は30分強でしたので、道路事情によってかなり遅れることも考慮したほうがよさそうです。

 

 

オシュ新バスターミナル

ウズベキスタンだと「アブ(オー)トボクザル」なのですが、

キルギスだと「アブ(オー)トベケティ」みたいです。

ベケティ。。なんだかいいな。カバディみたいですよね。

 

中に入ると広いピロティと少しのお店、待合室があり、各方面行のマルシュートカが並んでいます。

↑画像左奥にある四角いブースがチケット売り場です。

 

そして壁にかかっていた時刻表を頑張ってみてみましたが、印刷がぼやけすぎてよくわからん!

 

チケット売り場で「アルスランバブ」とお願いすると、とても優しそうなおばあさまが対応してくれました。
お値段330ソム

おばあさまは「いい?そこ、そのマルシュートカに乗るのよ!」と丁寧に窓口内から手を伸ばして指をさして教えてくれました。

 

なんだよこの街!会う人会う人みんなが優しいよー!と泣きそうな気持ちになります。

 

 

13:30発と聞いていましたが、チケットを見ると14時発の模様。

今は12時すぎなので超暇です。

 

なにか食べようかなぁと待合室の中の売店をのぞくと、ちょうどよさそうな惣菜パンを見つけました。

ついでに他の客が飲んでいたお茶もお願いしました。

お茶は紅茶か緑茶か選べます。

食べかけですみません。でもこれは美味しすぎて紹介したい。

 

合わせて50ソム。相変わらず安い。

 

・・・この、総菜パンがとんでもなく美味しいのです。

サマルカンドで食べたラグマンに匹敵する美味しさ

後から後悔しましたが、この時に3つくらいストックしておけばよかったです。

アルスランバブではこれを主食に生きて行けばよかったというレベル。

 

ちなみに、店のおばさまが超無愛想で無反応なので私は追加購入しようと(この時は)思えなかったのですが、

店を手伝っている子は超愛想がいいので、その子に頼むのが無難(笑)

 

 

前日のCBTの人の話から混みそうな気配がしていたので、

早めの13時過ぎ頃にマルシュートカに乗り、座席に座って出発を待ちました。

 

バスは何度か乗りましたが、これが初のマルシュートカです。

 

 

アルスランバブ(Arslanbob)へ移動(マルシュートカ)

予定時間の14時になっても出発しません。

マルシュートカあるあるですね。座席が満席にならないと出発しないやつ。

 

運転手さんが「アルスランバブ!バザール=コルゴン!」とバスターミナル内で連呼していますが、

これで客は増えているのか?と謎に思います

 

この掛け声を聞いて、

『どのマルシュートカに乗ろうかなぁ。今日はこのバザール=コルゴン行きにでも乗るか。』

って急に思い立つ人います?

しかも出発時刻も決まっているから大体それに合わせて来るのでは・・・。この呼び込みは何なんだ!

うーん、時間になったのにすっかり休んでて乗り忘れている人を呼んでいるのだろうか。

 

とか妄想を広げていると、14:10頃に無事に満席となり出発しました。

 

快晴の暑い中、天井の「ボッコン!」とならしながら手で開ける天窓を全開にして、エアコンのない送風だけの状態で進んでいきます。

 

それなりにぼこぼこした道をひたすら2時間半ほど走り、

バザール=コルゴンに16時ごろ到着しました。

 

ほとんどの乗客は下車。

と思ったら、ここで降りたのは乗客の6割程度。

到着ついでの休憩も兼ねているようでトイレに行ったり飲み物を買ったりしていました。

 

満席から一転、すっかり空いたので、

1人席に座っていた私は荷物が重かったのもあって広めの一番後ろの席に移動しました。

同じく何人か座席替えをしていました。

 

座席替えといえば、

このマルシュートカで観光客っぽいのは私と2人組のタトゥーに覆われた欧米人カップルだけで、彼らは前の座席をがっつりつかんで頭を押し付けて寝ていました。

それが怖かったのか座席がぐらぐらして嫌だったのか、はたまた彼らの香水がきつかったからか、

つかまれた座席に座っていた子供達はこのバザール=コルゴンでそそくさと座席替えをしていました。

しかし、休憩から戻った欧米人カップルは同じ席に戻らず

また、その子たちの後ろの座席へ移動したのです。

私はその時のその子たちの驚愕した顔が忘れられません。顔を見合って「ひえぇ!また来た!!」という表情をしていました

正直言って可哀そうでした。

 

バザール=コルゴンでの休憩は30分くらい。

ここで新たにたくさんの人を乗せ、立ち乗りまで出た状態で出発しました。

私の隣(一番後ろの席)には4人組のドーラ的おばあちゃんたちが座っています。

4人席に私含め5人座っているのでみっちりギュウギュウです。

 

彼女たちは3Lくらいのサイズのファンタをみんなで回し飲みし、隣でゲップゲップしながら楽しそうにおしゃべりしていました。

暑いのも相まって、私の肉体と精神(鼻)は疲弊しました。

 

しかし、立ち乗りが出ているなか、私は座れているだけで十分なのです。

なぜなら、この先の道の凸凹具合が尋常ではなかったからです。

 

揺れすぎて写真もブレブレ。

 

バザール=コルゴンからアルスランバブまでの2時間は絶望的でした、お尻が

センター試験でかったい大学の講堂の木椅子に2日間、連日8時間座り続けた終盤を思い出しました。

試験会場で、文系大学受験なのに理系に進み、英・国・数2科目・社2科目・理2科目という可能な限り全ての科目を受験した私は、同級生に「変人」と呼ばれました。

 

砂まみれの道を天窓全開で進んでいるので、髪も砂まみれのごわごわです。

 

満身創痍の18:30頃、ようやくアルスランバブに辿り着きました。

 

このルートでマルシュートカにずっと乗る場合、

お尻が薄い人、繊細な人はクッション的な何かを持って行くのをお勧めします。

 

 

アルスランバブ

私は一番最後に降りました。

先に降りようとした欧米人カップルが「CBTか?」と運転手に尋ねられ、

「違うよ!僕たちはCBTなんかには寄らない!勘弁してくれ!!」と英語で逆ギレしていて、

『多分CBTの民泊が高いと聞いて、Booking.com等でゲストハウスを予約した人なんだろうな』と思いました。

ただ、運転手さんはただの親切で聞いてくれているだけだと思いましたが。

最初から不信感丸出しで対応するのは人としていかがなものか。

 

私はCBTに行きたかったので運転手さんから場所を聞いて、教えてもらった方角に向かいました。

 

町の雰囲気はテレビでみたネパールのエベレストトレッキングの入口の町のよう。

欧米人の山好きな観光客が多い場所なので同じ雰囲気になるのでしょうか。

これまで巡ってきた中央アジアの町の中で一番道にごみが落ちていました

 

中国のチベット自治区に咲いていたダイオウみたいな巨大さですが、

花は菜の花みたい。これはなんなんでしょうか。

 

 

CBT Arslanbob

CBTはバスを降りたところから道なりに北に100mほど登った左手にありました。

しかし、扉が閉まっています

 

困って向かいの店の前に居た人に翻訳アプリで尋ねたら、

「うーん、今はいないみたいだから電話したら?」と言われましたが、

私のキルギスSIMには電話番号はありません。

 

こんな感じでキルギスは電話番号がなくて何度か困ったので、

マニアックな場所に行かれる方は電話番号付きのSIMがいいと思います。

 

これは、民泊をあきらめてBooking.comの出番だろうか。と悩んでいたら、

私が尋ねた人が急に「あっちあっち!」と誰かを指さしています。

指の方を向くと、CBTのスタッフの人が戻ってきているところでした。

これで一安心です。

事前情報によると、民泊は1泊夕朝食付で1,000ソムのはず。

 

しかし、CBTの人曰く、

1泊朝食付きで1,500ソム、夕食はプラス500ソムとのこと。

想定の2倍、結構な値段です。

 

しかもここでは2泊するつもりだったので、

2泊分のこの差額はビシュケクでの一泊分に匹敵する出費となります。

私は想定を超える値上がりのため、ここまでの旅費がかなりキツキツになっており、

これでアルスランボブの後のビシュケク宿泊ホステル(未予約)をドミトリーにすることが決定しました。

 

CBTの人が提案してくれた2軒のうち、近い方、ということでCBT番号16番のお宅にしました。

 

「みちなりに北に登っていくと右手にあるから。HOSPITARLITY KYRGYZTANの看板の32番(確か)が掲げてある家だよ」と言われ、

「え?16番じゃなくて?」と混乱した私に、

「いや、16番はCBTの管理番号で、HOSPITARITY KYRGYZTANの番号はまた別なんだよ」と返事を頂きました。

管理責任者だった経験からこのエラーが起きやすそうな状況にソワソワしてしまいます。

 

 

それはおいておいて、

他にオシュのCBTでも質問した内容を再び質問してみました。

「ここからビシュケクに行くにはどう行けばいい?」

と尋ねたところ、

「一番楽なのはシェアタクシーで、CBTで3,000ソムで手配できる。もう一つは、バザール=コルゴンまでマルシュートカで行って、そこからシェアタクシーだ」

というオシュと同じ返答がありました。

 

お金がなかったので、この時点ではバザール=コルゴンまで行ってからシェアタクシーを探そうと思いました。

 

 

CBT民泊

CBTから北に歩き続けて200m、さすがにちょっと上り坂すぎて疲れてきたころ、

若い男の子が「ハロー!CBT?」と声をかけてきました。

 

彼が今日の民泊の家の子で、迎えに来てくれたようです。

そこからさらに100mほど登ったところが泊まる家でした。

 

その子のご両親が出迎えてくれ、夕飯をどうするか尋ねられたので頂くことにしました。

500ソムは高いなと思いましたが、伝統料理(普通の家の食事)も食べてみたいのと、

へとへとでお尻も痛いし、今日はとにかく早く寝ようと思ったからです。

 

案内されたのは8畳くらいのとても広くて素敵な広々とした部屋でした。

玄関で靴を脱いで上がる、日本と同じ様式です。

ベッドは大き目なものが1つ。コンセントも1か所ありました。

 

始めはご家族の住む家の中の部屋を借りるのかと思っていましたが、

どうやら母屋をまるまる宿泊棟にして、家族は隣の別棟の建物で暮らしている様子。

 

しかしこの建物内にはトイレもシャワーもないので、

荷物を置いて外に出、トイレの場所を尋ねました。

 

「トイレはこっちだよ!」

と案内してくれたトイレは、庭を越え、畑の横を通り過ぎた先の徒歩1分くらいの場所。

扉は閉まらず、あまりきれいではありませんでした。

電気もないので夜は真っ暗になりそう。

 

な、なるほど。

と日本語でつぶやいていると、

「シャワーも案内しておくね!」と。

 

シャワーはご家族の暮らす別棟の外にあり、

田舎の海水浴場にある雰囲気の、荷物置き場は一切ないシャワーオンリーな場所(扉はなくシャワーカーテンのみ)でした。

見た感じ、あまりきれいではなく、シャワーの水量は少なそうです。

 

「な、なるほど。日本でも古い家に行くとトイレが外だったこともあるからいいんだけど、綺麗じゃないのがな・・・。」

と再び日本語でつぶやき、お礼を言ってトイレに行きました。

 

トイレ近くのタイヤ花壇

しかし、シャワーで危惧していたのが、まさかのトイレで発生しました。

水量が弱い!弱すぎる。。

2度目を流そうとするとタンクに水が貯まるまでに5分くらい待たされます。

共同トイレで水量が弱い、しかもタンク式なんて疲弊するしかないやつです。

しかも部屋からかなり遠いし、手を洗う場所もない。

 

手?

よく考えたらこのおうちには洗面所がありません。うわあ!どこで歯みがきすればいいんだ!

 

お尻が痛くて疲弊していた私は、この時点でちょっと色々辛くなってきました。

 

そして夕飯です。

「こっちに準備しているよ!」と別棟(宿泊棟ともご家族の暮らす棟とも別)の2階に案内されました。屋根だけがある東屋的な建物で、3方はカーテンでおおわれています。

カーテンの向こうからは川が流れる素敵なBGMが聞こえて、きっとカーテンを開けると綺麗なはずだけど、カーテンは閉まっていました。

 

8人くらい座れそうな座卓に案内してもらい、みんなで食べるのかな?と一番端っこに座った私。

そこに運ばれてきたのは、1人分の食事でした。

サラダとナンと芋と鶏肉の炒め物。お茶とお菓子が添えられています。

 

「ボナペティ!」とお母さんは声をかけ、去っていきました。

 

カーテンに囲まれた大きな座卓の端っこで一人で食べる食事。

サラダと炒め物は美味しいのですが、少し寂しい。

 

カーテンの先から聞こえる川のゴーゴー流れる音と、家族が庭でワイワイと話している声をBGMに、

硬くてバサバサしたナンをお茶で必死に飲み込みながら、

私は、このおうちは2人以上の客で来るところだなーと漠然と感じました。

あのトイレもシャワーも、2人いればそれなりに楽しめるでしょう。

 

食べている最中にお父さんがやってきて、お菓子は部屋に持って帰っていいよ、的なジェスチャーをしてくれました。

食べたら置きっぱなしで何も言わずに部屋に戻っていいよ、的なジェスチャーもしています。

 

食べ終わり、東屋から下りて部屋に戻りました。

広い部屋のなかにぽつんとあるベッドに横になりながら、インターネットも不安定なので、暗くなるまでぼーっとしました。

ここは山の中だから星が綺麗なはずです。

 

そして22時ごろ、外に出てみました。

空を見上げると雲しか見えません。どうやら星は拝めないようです。

 

なんだかこの家に来てから一人なのを強く感じて淋しくなってしまい、

暖房がない部屋が寒くて眠れず、シャワーも浴びる気になれず、

このままこの家で2泊目は無理そうだなと感じていました。

 

明日中にバザール=コルゴンまで下って、そこのホステルに泊まってビシュケクを目指そうかとたまに繋がるインターネットで検索するも、

バザール=コルゴンに泊まれる場所は見つかりませんでした。

トクトグルまで行けば宿泊先はあるけど、トクトグルからビシュケクへの移動方法が見つかるかの不安があります。

 

結局朝まで悩み、

Booking.comでここより安価なアルスランバブのゲストハウスを見つけたので衝動的に予約してしまいました

 

翌朝は寝不足で胃が弱っていました。

昨日と同じ固いナンとバター、ヨーグルトと、羊?か何かのホットミルク、油たっぷりの目玉焼き。

 

お皿がウズベク柄です。

そういえばアルスランバブは住民の多くがウズベク族だと聞いたことがあります。

 

一人ぼっちの朝ごはんを食べ、

この民泊の1泊朝食付の1,500ソムって、

あの最高だったオシュのホステル+あの日の夕飯代、

とほぼ同じ値段だよな・・・、と思いました。

※CBTに手数料を払うはずで、ご家族の手元に実質入るのは多分2/3の1,250ソム程度でしょうが

 

部屋に戻って荷物を片付け、

7時半頃、

ご家族に2,000ソムを渡して1泊お世話になったこの家を出ました。

 

一応断っておくと、常ににこにこしていてとても暖かい雰囲気のご家庭でした。

 

お金をもらって家で眠る場所と夕食と朝食を提供している、というスタンスで、

『交流を楽しもう!』とか『アルスランバブを楽しんでもらおう!』という気持ちでホームステイをしているわけではなさそう、と感じました。

 

たまたま私が寒がりだったので眠れず疲弊したのと、

金銭的にぎりぎりになってきたのに加えて、これまでの旅の疲れがたまってどーんと嫌になっただけだと思います。

 

そして、ここから大きく持ち直します